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SFAとは

SFAとは? 基礎知識とCRMとの違い

SFAとは、Sales Force Automationの略称で、企業の営業活動を支援するシステムのことです。SFAは、日本では「営業支援システム」や「営業支援ツール」と言われることもあります。

この記事では、SFAの基礎知識や、同じ業務システムとして差がわかりにくいCRM(Customer Relationship Management)との違いを解説します。

SFAとは?

SFAとは、英語の「Sales Force Automation」の頭文字を取った略称で、 企業の営業活動を支援するシステムのことです。SFAは、企業の営業活動における アプローチ~商談~受注までの一連のプロセス(パイプライン)をシステム上に可視化し、 管理・共有・活用しやすくすることで、営業の業務効率や生産性を向上することを目的としています。

SFAのもっとも基本的な機能は、活動履歴の記録です。
営業活動を通して得た顧客データやアプローチの結果などを逐一、 入力していくことで、SFA上には営業活動に必要なデータベースができあがります 。これにより、旧来の「経験と勘」によるものではなく、データをもとにした根拠ある判断ができるようになり、 受注予測などをより正確に立てられるようになります。また、個々の営業担当者の活動履歴をわかりやすく残すことができるため、 システムを活用して日々の行動管理や情報共有をしやすくする特長も持っています。

SFAの基礎知識(普及の背景)

SFAのシステムは、1990年代にアメリカで誕生し、その後、 アメリカ国内では2000年代に普及が進みました。日本では、 1990年代後半から徐々に取り入れられ、マーケティングの概念が浸透するとともに2010年代頃から本格的に普及しました。 現在、日本における企業のSFA導入率は未だ30%程度だといわれています。

SFAのシステムは、1990年代にアメリカで誕生し、その後、 アメリカ国内では2000年代に普及が進みました。日本では、 1990年代後半から徐々に取り入れられ、マーケティングの概念が浸透するとともに2010年代頃から本格的に普及しました。 現在、日本における企業のSFA導入率は未だ30%程度だといわれています。

情報化が進み、人々の購買行動がインターネットを中心とした情報収集に変化するなか、 「飛び込み」「総当たり」「足で稼ぐ」などの従来型の営業スタイルでは売れない時代となりました。 また、人々の働き方も長時間労働を当たり前とせず、生産性高く働くことをよしとする世の中になりました。
このようななか、SFAは「営業活動や進捗状況を記録し、見える化することで行動を最適化できる」「蓄積したデータを基に客観的な分析や判断ができる」ツールとして、営業のデジタル化の要と捉えられています。

CRM(顧客管理)との違い

SFA(営業支援システム)と混同しやすいツールとしてCRM(顧客管理システム)があります。 SFAがおもに商談から受注までのフェーズを担うのに対し、 CRMはおもに受注後からリピート化のフェーズを担うツールです。

ただ、SFAもCRMも上記のような領域を中心にその前後までカバーする 機能を備えた製品が多数登場しており、境界があいまいになってきています。 大きな役割として、SFAは「営業活動の最適化」を、CRMは「顧客との関係維持」 を担っていると捉えることで両者の違いを認識できるでしょう。

SFAの代表的な機能

SFA(営業支援システム)には、営業活動を効率化するために必要なさまざまな機能が搭載されています。主な機能は以下の7点です。

【機能1】顧客管理機能

SFAの要である案件管理を行うためにも、まずはベースとなる顧客情報を管理することが重要です。
日々の営業活動や展示会などで集めた名刺情報のほか、リスト会社などから購入したターゲット企業のデータをインポートして活用します。
顧客の企業名や住所、電話番号、担当者の氏名、メールアドレス、役職といったプロフィール情報のほか、過去の商談履歴も記録することができます。

【機能2】案件管理機能

顧客情報をベースに、現在、進行している営業案件の進捗状況を管理する機能です。
自社の営業担当者名と、いつ、どの商材においてどのようなやり取りが行われたかを記録しておき、受注確度などについても記録します。
受注の質・数を高める戦略を練るための元となる情報になるので、営業担当者一人ひとりの入力の徹底が求められます。

【機能3】商談管理機能

案件管理のうち、各商談の詳細を管理するための機能です。
商談の詳細を残しておくことで、一度、失注した案件や休眠顧客を一定期間後に掘り起こす際に、別の営業担当者に代わったとしても引き継ぎの手間なくスムーズに次の商談を行えるようになります。
SFAの特徴は、「顧客情報」「案件情報」「商談情報」の三つのレイヤーで顧客を管理する三層管理だといわれています。

【機能4】プロセス管理・スケジュール管理機能

SFAには、案件・商談情報を営業担当者ベースで捉え、各人の行動の予定と実績を可視化して管理し、営業担当者の評価につなげる機能も備わっています。
営業担当者のコール数、アポイント数、訪問数、提案商材数、受注数といったプロセス(行動)が可視化されることで、個々のスキルや業績が一目でわかり、アドバイスや人事評価につなげることができます。
また、スケジュールの可視化により、管理職が部下の動きを把握でき、営業同行へのスケジュール調整もしやすくなります。
営業担当者側にとっては、自己の営業活動の見直しや、今すべきこと、次にすべきことが明確になり、営業活動を効率的に進めやすくなります。

【機能5】売上予測・予実管理機能

過去の商談結果などのデータから、売上を予測する機能です。営業部門全体での売上だけでなく、チームごと、個人ごと、製品別、月別など、さまざまな切り口での売上予測を行えます。
また、予算に対する現状の進捗を比較し、進捗が遅れている場合は該当案件の詳細を開いてチェックすることも可能です。

【機能6】週報・日報作成・管理機能

多くのSFAには、週報・日報を作成・管理する機能も搭載されています。
あらかじめ設定された項目に入力するだけで週報・日報が作成でき、部内への共有も行えます。営業メンバーが外出先からでもこまめに入力できるよう、モバイル端末からも入力しやすい仕様になっている製品もあります。

【機能7】集計・分析レポート機能

SFAの役割は、情報の蓄積・管理にとどまりません。入力されたデータを集計・分析することで業務改善や利益向上につなげることができます。
分析機能がついていない場合は、集計結果から成約につながりやすいパターンの発見や失注案件の原因分析などを行いましょう。SFAについている分析機能を使うとしても、最終的な判断は人力で行うことになります。
レポート出力機能を活用すれば、必要な項目のデータを抽出してレポート化でき、会議などでの他部門への情報共有も楽に行えます。

SFAを導入するメリット・デメリット

上記のようなさまざまな機能を持つSFAは、活用次第で営業効率や利益を大きく向上できる可能性を秘めたツールです。ここでは、SFAの導入メリットとデメリットを確認していきましょう。

SFA(営業支援システム)のメリット

SFAのもっとも大きなメリットは、営業に関するさまざまなデータが一元管理・可視化されることから、 営業組織全体の動きをスピーディに把握できるようになる点です。その結果、精度の高い売上予測が可能になり予実がブレにくくなります。

SFA導入のメリットは管理職だけにもたらされるものではありません。 現場のプレイヤーにとっても、逐一、管理職に案件の進捗を報告しなくても最適なタイミングでアドバイスや指示がもらえるようになったり、 自身が関わりのなかった案件の情報を取得できたりするため、 成績の良い営業担当者の案件情報や商談情報を参考に自分の商談に活かせるようになるといったメリットがあります。

SFA(営業支援システム)のデメリット

SFAのデメリットは、大きく2つあります。
ひとつは、SFA利用に当たり初期費用・ランニングコストというコストが発生する点です。 料金体系により、利用期間や利用人数との兼ね合いなどでコストメリットが変わってきます。 自社にとってコストパフォーマンスの良い料金体系の製品を検討する必要があるでしょう。
もうひとつは、活用するなかで日々、営業担当者が情報を入力しなくてはならず、工数がかかる点です。 SFA導入前から営業成績の良かったメンバーからは特に、入力業務を敬遠される場合があります。 入力することで営業担当者が得られるメリットに共感してもらい、入力を徹底することが必要です。

まとめ

SFA(営業支援システム)関する基礎知識をまとめてご紹介しました。
顧客情報、案件の進捗状況などのデータが属人的に管理されている組織では、 SFAによる営業に関する情報の一元管理で効率化が大きく進むのではないでしょうか。
さまざまなベンダーからSFAが提供されていますので、自社の営業スタイルに合った製品を選定しましょう。 ただ、導入した後、案件情報のデータベースとして使われる程度で、あまり活用が進んでいないところも少なくないようです。 導入後の活用が軌道に乗るまで支援してくれるサポート体制が整ったSFAを選ぶというのもひとつの手でしょう。

よくある質問

SFAの導入にはどのくらいの費用がかかりますか?
SFAの導入にかかる費用は、初期費用・月額費用・機能のカスタマイズ費用で構成される場合が多く、 月額費用は使用するアカウント数ごとに変動するのが一般的です。無料プランを設けている製品もあり、 1アカウントの使用料は無料~数万円まで、さまざまな料金プランがあります。一般的に高機能な製品ほど料金は高くなるため、 必要な機能を見極めて製品を選択することで費用を抑えて導入することができます。
SFAの選び方はどうすればいい?
現在、日本では海外ベンダー、国内ベンダーからさまざまな個性を持ったSFAが多数、リリースされています。数あるSFAのなかから自社に合った製品を選ぶには「導入目的の明確化」「ベンダーのサポート体制」「使いやすさ」「他のシステムとの連携性」などいくつかのチェックポイントがあります。詳しくは「SFAの選び方 自社に合うシステムを選ぶポイント」の記事をご覧ください。

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