セールスベロシティとは?営業効率向上のための重要ポイントを解説
今、営業効率アップに有効な指標として話題の「セールスベロシティ」。
名前は知っていても詳しくはわからない、うまく活用できてはいないという方も多いのではないでしょうか。
今回の記事ではセールスベロシティについて、求め方や活用する際のポイントなどをご紹介します。
ぜひ参考にして、セールスベロシティを活かした営業効率アップを目指してみてください。
セールスベロシティとは?
セールスベロシティとは、営業効率を数値化した指標のことです。
案件数・平均取引額・成約率・平均商談期間の4つの指標を用いて測定でき、特定の期間にどの程度の売上があるか(たとえば「1日あたり○万円」など)を知ることができます。
セールスベロシティの数値が高ければ高いほど短期間で多くの売上が見込める、つまり営業効率が良いということであり、効率を高めるために解決すべき課題を明らかにするためにも役立つ指標です。
セールスベロシティの求め方とは?
セールスベロシティを求めるには、前述のように案件数・平均取引額・成約率・平均商談期間の4つの指標が必要です。まずはこの4つの指標について確認した上で、セールスベロシティの計算方法をご紹介します。
案件数
案件数は、コンタクトを取った顧客の数を指します。
ただし、たとえば架電したものの先につながる話は何もなかったという場合などは案件として成り立っていないため数に入れないなど、案件数に含める条件をしっかり定めておくのがおすすめです。
平均取引額
平均取引額は、その名のとおり成約に至った案件の売上額を平均したものです。
「期間内の総取引額」÷「成約数」で計算することができます。
一般的に、平均を大きく上回る取引額の案件は成約率が低いと言われています。反対に平均を大きく下回る取引額の案件は成約しやすい傾向がありますが、平均取引額を引き下げてしまいます。
成約率
成約率は、対応した案件のうち成約につながった案件の割合です。
「成約につながった案件数」÷「案件数」で算出できます。
平均商談期間
平均商談期間は、コンタクトを始めてからクロージングまでにかかった期間(リードタイム)の平均を指します。「成約につながった案件全体の期間の合計」÷「成約につながった案件数」で計算しましょう。
リードタイムが短いと営業効率は上がります。またリードタイムの長さには、顧客側の意思決定プロセスの複雑さや関わる人数の多さ、製品やサービスの金額など、さまざまな要素があります。
4つの指標をもとにしたセールスベロシティの求め方
上記の4つの指標をもとにセールスベロシティを計算するには、次のような式を用います。
セールスベロシティ=(案件数×平均取引額×成約率)÷平均商談期間
たとえば第1四半期に取り扱った案件数が50件、平均取引額が60万円、成約率が0.3(30%)、平均商談期間が45日間であった場合、セールスベロシティは「(50×600,000×0.3)÷45=200,000」となります。
これは、1日あたり20万円の売上があったことを指しています。
営業効率を向上させる重要性
ところで、セールスベロシティは営業効率の向上に役立つ指標だということはお伝えしましたが、営業効率の向上が今注目されているのはなぜなのでしょうか。その重要性を確認しておきましょう。
昨今、働き方改革、少子高齢化などの影響により、営業スタイルも変わらざるを得ない状況にあるといえます。働き方改革では残業時間の削減が推進されているため、生産性の高い業務プロセスへの移行が求められています。少子高齢化はビジネスパーソンの現象につながっており、人材不足により一人ひとりがこなさなければならない業務量が増える原因のひとつです。
さらに新型コロナウイルス流行の影響もあって、テレワークが普及したりインサイドセールスに注目が集まるなど営業スタイルが多様化する中で営業メンバーの負担は増えており、営業効率をアップさせなければ売上の維持や向上が難しくなっているのです。
セールスベロシティで営業効率を最大化するためのポイント
セールスベロシティで営業効率を最大化するには、計算に用いる4つの指標のうち分子にあたる案件数・平均取引額・成約率を大きく、分母である平均商談期間を少なくする必要があります。そのために取るべき具体策をご紹介しますので、押さえておきましょう。
案件数を増やす
案件を増やすには、セミナー・販売促進会といったイベント、テレアポなどのオフライン施策や、Web広告、SNSやオウンドメディアの運用、メルマガ配信といったオンラインでのコンテンツマーケティングなどを活用してリード数を増やすことが重要です。
ただし、見込みの薄いリードばかりが増えても効果は出ません。成約可能性の高いリードを絞り込むリードオリフィケーションや、リードを成約につながるものへと育てていくリードナーチャリングなどを駆使して効率よく案件数を増やしていきましょう。
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取引単価を上げる
顧客の課題やニーズをしっかりと把握し適切な提案をすることで、より付加価値の高い製品やサービスの成約につながり、取引単価もアップします。
また、カスタマーサービスやアフターフォローに力を入れ、継続的にアプローチすることでアップセル・クロスセルを狙うのも取引単価を上げるのに役立ちます。
成約率を上げる
成約率を向上するには、成約に至らなかったケースや長期間保留になっている案件の分析・振り返りが欠かせません。成約に至らない場合、「価格が予算に合わない」「品質が期待するレベルではない」「競合他社のものを選んだ」といった原因が考えられます。主な原因となっているものに対して改善策を講じていきましょう。
また、成約が見込めない顧客へのリソースを減らすことも、成約率や営業効率の向上に役立ちます。たとえばホームページに詳細な情報をあらかじめ記載しておくことで、「今すぐ利用するつもりはないが、情報を知りたい」といった成約可能性の低い問い合わせを減らすなどの対策を取りましょう。
リードタイムを短くする
リードタイムを短縮するためには、営業プロセスをステップごとに見直していくのがおすすめです。プロセスの中でも特に時間がかかっているステップを割り出し、原因を排除していくと良いでしょう。
営業支援ツールを導入する
見込み顧客の獲得や絞り込みを効率よく行えるMA、顧客・案件・進捗・予算などを管理できるSFA、アフターフォローに関する機能が充実したCRMといった営業支援ツールは、案件数・成約率・取引額アップやリードタイムの短縮に役立ちます。
また、営業活動に付随する事務作業や手続きの効率化もできるため、商談などに注力することができ、結果的にセールスベロシティの向上にもつながります。
なお、NTTデータ イントラマートではSFAツール「DPS for Sales」をご提供していますので、ぜひ一度ご検討ください。
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まとめ
今回は、セールスベロシティの重要性や上手に活用するためのポイントについて解説しました。
ぜひこの記事を参考にしてセールスベロシティの管理を行い、営業効率アップを目指してください。