リードナーチャリングとは?営業チームの強化に向けた顧客育成の重要性
特にBtoBにおけるマーケティング手法として昨今注目を集めている「リードナーチャリング」。
新規開拓に力を入れている企業でも、その開拓したリードを成約につながる顧客へと育成する「リードナーチャリング」はうまく行えていないケースも多いのではないでしょうか。
今回は、リードナーチャリングの概要から重要性やメリット、実践方法まで詳しくご紹介します。ぜひ参考にして、リードナーチャリングに取り組んでみてください。
リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、直訳すると「見込み客の育成」です。広告や展示会などで獲得したリード(見込み顧客)に対して適切なアプローチを行い、商談につなげられる検討度の高い顧客へと育てていくことを指します。
従来の営業方法では、リードの中で成約につながりそうな案件に絞ってアプローチを行うのが一般的でした。一方、現時点では成約につながらなさそうなリードに対してメルマガやDMを送る、セミナーなどのイベントに招待するといった方法で中長期的にコミュニケーションを取り、購買意欲を高めていくのがリードナーチャリングです。
リードナーチャリングの重要性
今リードナーチャリングが注目を集めている背景には、インターネットの普及に伴い顧客の購買行動に変化が生じていることがあります。顧客自身がインターネットを利用して能動的に情報収集を行えるほか、企業側のリード獲得方法も多様化している現代では、獲得したリードの70~80%ほどが商談につながっていないといわれています。
逆にいえば、リードナーチャリングを行ってこの商談につながっていない多くのリードをうまく育成し、商談、ひいては成約につなげることができれば大幅な売上向上も期待できるということです。現代社会において効率よく業績アップを目指すためには、リードナーチャリングが欠かせないといえるでしょう。
リードナーチャリングのメリット
リードナーチャリングの最大のメリットは、前述のようにリード(見込み顧客)の取りこぼしを防げることといえます。リードの中でもすぐに契約を検討する層は一般的に20~25%ほどですが、2年以内に購買行動を起こす層は全体の80%にも上るといわれています。リードナーチャリングで継続的にアプローチを行うことで、積極的に検討する段階に至った際に選んでもらいやすくなります。
特に不動産など価格が大きい商品の場合や意思決定者が複数いる顧客の場合などは、検討期間が長くなりがちです。このようなケースでも、リードナーチャリングを継続して行っておけば具体的に検討してもらいやすいでしょう。
また、リードナーチャリングを行うことで確度の高い顧客を割り出せることもメリットの一つです。より見込みの高い層に絞って営業活動を行えるようになるため、営業効率の向上が図れます。
リードナーチャリングの実践方法
ここまでリードナーチャリングについて重要性やメリットをお伝えしてきました。
では、実際にリードナーチャリングを実践するにはどのようなステップが必要なのでしょうか。効果的に実践するためにも、事前にしっかりと確認しておきましょう。
ターゲットユーザーの特定
どのようなリードナーチャリング手法が効果的かは、相手の属性などによって異なります。
たとえば、なんとなく興味があるというだけの人に具体的な製品のカタログを見せてもあまり関心は得られないでしょう。そのため、まずは誰に向けたリードナーチャリングなのかということをしっかりとイメージする必要があります。
ターゲットユーザーをイメージしやすくするためには、業種・職種・役職などを想定してペルソナ(具体的な人物像)を設定するのがおすすめです。立場や確度の異なるいくつかのペルソナを設定し、リードをより当てはまるグループに分けていくと良いでしょう。
興味関心の把握
リードにアプローチする際にはその顧客の興味関心に合わせたアクションを取ることが重要です。
しかし、どのような内容に興味や関心を抱くかは、その人の検討度合いなどによって異なります。
たとえばWebサイトの資料請求で獲得したリード、展示会で通りかかったところに少し説明をしただけのリード、より深い知識を得るべくセミナーに参加してくれたリードなど、どのような手段で獲得したのかを細分化し、それぞれに興味関心のある内容を把握するようにしましょう。
適切なコンテンツの提供
ターゲットユーザーを設定しそれぞれの興味関心を把握できたら、次はターゲットごとに適切なコンテンツを考えましょう。
イベントや展示会でたまたま通りかかって説明を聞いた、すぐに検討する段階にはないがなんとなく情報収集をしているといったライト層には、具体的な製品の詳細よりも業界全般についての無料セミナーへ招待したり、製品に関係する課題についてのコンテンツを提供したりすると良いでしょう。
Webサイトで資料請求・カタログのダウンロードを行った、専門的なセミナーに参加したなどの確度の高いリードに対しては、決め手となり得る無料デモや割引キャンペーンを案内するのが効果的です。
なおコンテンツ作成の際には、どの検討段階のターゲットに対して発信するコンテンツなのか、そのコンテンツの提供によってどのような行動を起こして欲しいのかを明確に考えるようにしましょう。
顧客育成の戦略立案
リードナーチャリングを効果的に行うには、顧客をどのように育成していくのかの戦略が非常に重要です。漠然とした計画で始めるのではなく、事前にしっかりと戦略を立案するようにしましょう。
まず行うべきは、リードナーチャリングのゴールの設定です。このゴールは「売上向上」「業績アップ」といった大まかなものではなく、「○ヶ月間で△%のリードを□□の段階まで引き上げる」「キャンペーンを案内したリードのうち○人以上と商談を行う」のように具体的なものにするよう心がけてください。
次に、このゴールに向けての「小さなゴール」を複数設定します。たとえば最終ゴールが「メールを送ったリードのうち○%に□□してもらう」というものだった場合、顧客にはまずメールを読んでもらう必要があります。そのため、最終ゴールを達成するための第一歩として「メールの開封率を○%以上にする」という小さなゴールを設定する、という流れです。
この小さなゴールを達成できているか否かでリードナーチャリングの成功度合いを測定できるほか、次に何をすればいいかがわかりやすくなります。
まとめ
昨今注目を集めているリードナーチャリングについて、その重要性や実践方法をお伝えしました。見込み顧客をうまく活かせていないと思われている方は、ぜひ今回の記事を参考にリードナーチャリングに取り組んでみてください。
なお、NTTデータ イントラマートでは、効率的なリード管理にも役立つSFAツール「DPS for Sales」をご提供しています。ぜひ一度、ご検討ください。