営業ヒアリングのコツとは?管理方法や効率化に役立つSFAについても解説
営業活動において、顧客のニーズを正確に把握することは成約につなげるために最も重要な要素と言っても過言ではありません。
ニーズを把握するために欠かせないのが、「営業ヒアリング」です。
本記事では、営業ヒアリングのコツや役立つフレームワーク、情報管理に便利なSFAについて解説いたします。
営業におけるヒアリングとは
営業ヒアリングは、主に営業プロセスの初期段階において情報収集のために行うステップです。
顧客との対話を通じて、顧客の抱えている課題や顕在・潜在ニーズ、購買意思決定プロセス、競合状況といった情報を収集します。
また、営業ヒアリングを適切に行うことで、顧客との関係性の構築にもつなげられます。
ヒアリングの目的
営業ヒアリングの目的は、「その後の商談のために武器を増やすこと」です。
具体的には、まず顧客のニーズを把握することが挙げられます。
ニーズを的確に把握できていなければ、最適な提案をするのは困難です。
また、ニーズを正確に把握することで、自社製品・サービスではニーズを満たせない場合も早期に判明するため、お互いに時間を無駄にせず済むというケースもあります。
顧客との信頼関係を築くことも、営業ヒアリングの大きな目的といえます。
その場限りの契約でなく長期的な顧客関係につなげるためにも、最初のヒアリングで良い関係性を構築することは非常に重要です。
営業ヒアリングの3つのコツ
効果的な営業ヒアリングを行うためには、意識して行うべきポイントがあります。
ここでは、3つのコツをご紹介します。
相手を主語にして話す
顧客との関係性を築くためにも、また情報をうまく聞き出すためにも、顧客の立場に立って話をしましょう。
たとえば「弊社の商品では◯◯ができます」という話し方では、単に自社製品の説明になってしまいます。
一方、「△△さんは、◯◯がうまくいかないと感じていませんか?」と質問した場合、相手を主体として話をした上で、自社製品を活かした提案をできるか探ることができます。
仮説を立てて質問する
良質なヒアリングをするためには、事前に相手の状況や課題などについて仮説を立てておく必要があります。
仮説を立てるにあたっては、顧客のホームページやSNSのチェックをはじめ、競合他社・同業他社の調査や業界のニュースの確認などを入念に行いましょう。
また、商談中にも相手の表情や仕草を観察することで新たな仮説を立てることができます。
特に、「困っている原因は、実は◯◯では?」「◯◯に困っているが、相談しづらいのでは?」といった潜在的なニーズについての仮説を立てることは重要です。
潜在的なニーズを予測しておくことで、ヒアリングの中で情報を引き出しやすくなるでしょう。
情報を引き出して深掘りする
相手から情報をうまく引き出すためのノウハウもヒアリングに役立ちます。
後述のフレームワークを活用する、社内でロールプレイングを行う、ヒアリングに長けた社員の話し方を参考にするなど、ノウハウの獲得に努めましょう。
ヒアリングを行う際にはまず現状を聞き、その現状に対し今までに行った施策やその結果などの過去にさかのぼって質問するのがおすすめです。
そして、最後に目標などの未来をイメージできる話へとつなげることを意識すると、スムーズに情報を引き出しやすくなります。
営業ヒアリングの流れ
ここからは、営業ヒアリングの一般的な流れをご紹介します。
STEP1:アイスブレイク
いきなりヒアリングに入るのではなく、はじめにある程度の雑談を行って雰囲気づくりを試みましょう。
適切なアイスブレイクを行って和やかな雰囲気を作れれば、その後の質問に対して答えを引き出しやすくなります。
相手の喜ぶ話題や共通の話題、なかでもビジネスと関係のない話をすると、より緊張をほぐせます。
STEP2:現状のヒアリング
つづいて、いよいよ本題のヒアリングに入ります。
いきなり複雑な内容について質問してしまうと、顧客も答えづらくなります。
はじめは顧客の基本情報など、答えやすい質問を行いましょう。
その後、仮説をもとにした具体的な質問を行い、課題とニーズを明確にしていきます。
たとえば「お困りごとはありますか?」という漠然とした質問ではなく、「最近、新たな営業所ができたということですが、人手は不足していらっしゃいませんか?」というように、仮説に基づいた具体的な質問をすると、顧客の答えを引き出しやすいです。
STEP3:提案と次回訪問の約束
顧客の課題が明らかになったら、それを解決し得る自社の製品・サービスについてアピールしましょう。
単なる説明ではなく、顧客の課題と絡めてプレゼンテーションすることが大切です。
その場で興味を抱いてもらい契約につながればベストですが、すぐに契約にはつながらない場合の方が多いのではないでしょうか。
また、コスト面が気になる、実際の導入事例を見てみたいなどの懸念事項や要望が出てくるケースもあります。
契約まで至らなかった場合は、顧客の懸念事項や要望について見積もり作成や事例の紹介などの宿題をもらい、次回訪問の約束につなげましょう。
営業ヒアリングに役立つ!フレームワークを紹介
では、実際にヒアリングを行うにあたって、どのような項目について聞けば良いのでしょうか。
営業ヒアリングに役立つフレームワークを3つご紹介します。
BANT
BANTは、特にBtoBの営業において重要視される4つのヒアリング項目を指すフレームワークです。
「予算(Budget)」「決裁権(Authority)」「必要性(Needs)」「導入時期(Timeframe)」の頭文字を取って名付けられました。
BANTについては、下記の記事で詳しくご紹介しています。
【関連記事】
BANT条件とは? ~活用するメリットからヒアリングの際のコツまで解説~
SPIN
SPINは、顧客に対する質問のしかたを示したフレームワークです。
はじめのSは顧客の現状を尋ねる「状況質問(Situation Questions)」、Pは不満や困りごとを聞き出して潜在ニーズを探る「問題質問(Problem Questions)」のことです。
Iは、「その問題は作業効率に影響を与えていませんか?」というように、潜在ニーズを顕在化させるための「示唆質問(Implication Questions)」を指しています。
そして、「この作業を自動化できれば、どのくらい効率が上がりますか?」など、解決のイメージを抱かせるための「解決質問(Need-Payoff Questions)」がNです。
SPINに添って質問を行うことで、スムーズにニーズの聞き出しや解決法の提案を行えます。
3C分析
3C分析は、「会社(Company)」「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」の3つの観点から分析を行うフレームワークです。
営業ヒアリングで活用する場合、「会社」は相手企業、「顧客」は相手企業のターゲットや市場を指します。
この3つのCを意識してヒアリングを行うことで、必要な情報を漏れなく聞き出しやすくなります。
3C分析について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
【関連記事】
ビジネスで使えるフレームワーク7選【基礎編】
SFAを活用してヒアリングを効率よく行う方法
営業ヒアリングで聞き出した情報を提案に活かすには、情報を蓄積していつでも確認できるようにしておく必要があります。
そこでおすすめなのがSFA (営業支援システム)です。
SFAを活用すれば、ヒアリング内容や顧客情報の記録・管理などを効率よく行えます。
また、過去のヒアリング内容の振り返り・検索や、部署内・社内での情報共有も簡単です。
案件途中で引き継ぎが発生した場合や、一度ストップした案件が再開した場合にも、過去の内容をもとに効率よく適切な対応を行えます。
顧客情報・案件情報について入力する項目のカスタマイズもできるため、前述のフレームワークなどを参考に入力項目を設定しておけば、ヒアリングに漏れが発生しづらくなります。
まとめ
営業ヒアリングは、顧客のニーズを把握し、成約につながる提案を行うために重要なプロセスです。
今回紹介したコツやフレームワークを参考に、効果的な営業ヒアリングを行いましょう。
なお、NTTデータ イントラマートでは、営業ヒアリングの情報管理にも役立つSFAツール「DPS for Sales」をご提供しています。ぜひご検討ください。