ビジネスで使えるフレームワーク7選【基礎編】
ビジネスにおいては、日々多くの課題や問題が発生します。
ビジネスマンはそれらをできる限り早く解決することを求められますが、基軸となる考えや共通言語があるとそれらを加速させることが可能です。
今回はフレームワークの基礎知識と、ビジネスシーンでよく使われる絶対に覚えておくべきフレームワーク7つをご紹介します。
フレームワークとは?
フレームワークという言葉はビジネス全般だけでなく、システム開発やコンサルティングなどの業界でも使われており、幅広い意味を持っています。
本記事でご紹介するのはビジネスにおけるフレームワークで、課題解決や問題分析などの場で用いる共通的な考え方や、そのためのツールのことを指します。
フレームワークは非常に多くの種類があり、例として以下のようなものが挙げられます。
- 目的達成のためのフレームワーク
- アイデアや思考を整理する
- 戦略を構築する
- データを分析する
- 計画を実行する
フレームワークにはそれぞれ向き不向きがあります。個々のフレームワークの使い方を学ぶ過程で「自分の業務のうちどのシーンに活用できるのか」というところまでシミュレーションできるとなお良いでしょう。
フレームワークを活用する意味
フレームワークを使うことで、具体的にどのようなメリットがあるのか考えてみましょう。
結論を出すまでの時間を短縮できる
フレームワークには思考の道筋が示されているため、フレームワークを使えばその道筋に沿って考えたり議論を進めたりできます。
次に何をすればいいのかが示されている状態なので、何もない状態から始めるよりもゴールにたどり着くまでの時間を短縮できます。
共通認識を持った上で議論ができる
大勢で議論する際にフレームワークがあると、何について議論するのか、ゴールは何なのか、そのゴールに向かってどのような流れで考えていくのか、といった点を共有した上で議論を進められます。 フレームワークを使えば議論における観点を明確にできるので、議論の参加者同士で話しが食い違ってしまうことも防げます。
ゴールがぶれない
議論が白熱して横道にそれてしまい、そもそも何を決めるための会議だったのか、という目的を忘れてしまうこともよくあります。
フレームワークを活用すれば、参加者が思いついたことを口に出して議論の方向性がわからなくなってしまうことを防ぎ、目的を見失わずに議論を進められます。
ビジネスで使えるフレームワーク7選【基礎編】
ビジネスの場で使われるフレームワークのうち、今回は基礎編として特に使われる場面の多い7つをご紹介します。
PDCA
PDCAサイクルとも呼ばれる、最もメジャーなフレームワークの一つです。幅広い業務に適用することができます。
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つで構成されており、この4つを繰り返し行うことで目標の達成を図ります。
5W1H
5W1Hも有名なフレームワークです。中にはフレームワークと意識せず日常的に使っている人も多いかもしれません。
5W1HはWhen(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の略で、プレゼン、営業活動、報告、会議のアジェンダなど、コミュニケーション全般で活用することができます。
また、情報を発信する側はもちろん、聞き手側も活用することができます。5W1Hが明確なのか意識しながら説明を聞き、不明確な点があれば確認するよう意識づけると認識の齟齬を減らすことができます。
ロジックツリー
一つの課題を分析して解決方法を導き出すためのフレームワークで、以下の3種類があります。
Whatツリー
課題を要素に分解していくためのロジックツリーです。
一見一つに見える課題でも、背景では複数の課題が組み合わさっている場合が多々あります。そのような課題を分析し、真の課題を浮き彫りにすることができます。
Whatツリーで課題を細分化することは、後述する2つのロジックツリーを活用するためにも非常に重要です。
Whyツリー
課題の原因を分析するロジックツリーです。
メインの課題の大きな原因を挙げ、さらに原因を細分化していきます。
細分化する過程で自然と具体的な原因が出てくるので、解決のためのアクションを考えやすくなります。
Howツリー
課題の解決法を探るロジックツリーで、Whyツリーと同様、解決法をブレイクダウンして具体化していきます。
解決のためのアクションが書き出された状態になるので、どのアクションを選ぶのか比較しやすいという長所もあります。
上記の3つのロジックツリーは別々に使うこともできますが、Whatツリーで主要な課題を明確にし、Whyツリーで原因を突き止め、その原因を解消する方法をHowツリーで考える、という流れで使うとより効果的です。
SWOT分析
Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取ったもので、企業の戦略を考えるときに役立つフレームワークです。
自社の内部環境(取り扱うサービスや商品、その品質や価格、ブランドなど)のプラスとマイナス、外部環境(競合製品や流行、社会情勢など)のうち自社にとってプラスの要因とマイナスの要因を書き出して分析します。
3C分析
3C分析とは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの観点で分析するフレームワークです。マーケティングの戦略立案や事業計画で使います。
自社の商品やサービスに関して、以下のような項目を明確にします。
顧客
- 市場の規模・成長性
- 顧客の消費行動・購買行動
- 顧客のニーズ
競合
- 市場のシェアとその推移
- 競合のポジション
- 新規参入や代替品の存在
- 各競合製品の顧客層
自社
- 自社の強み
- 商品やサービスの現状(市場でのポジション、シェアなど)
- リソース
このように外部環境と内部環境を分析することで、どんな商品・サービスをどんな顧客層に提供すればよいかを探っていきます。
AIDMA
Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の略です。消費者が商品や広告を認知してから商品を購入するまでの心理の変化を表しています。
プロモーション戦略の立案に役立つフレームワークで、マーケティング部門や広告代理店で特に使われています。
新型スマートフォンを例にあげると以下のようになります。
- 認知:テレビCMや電車の車内広告などで新型スマートフォンの存在を認知する
- 関心:新しい機能や今までの機種と比べた性能の良さなどを知り、興味を持つ
- 欲求:今使っている端末の年数などから、自分に必要かどうかを考える
- 記憶:新型スマートフォンのことを記憶する
- 行動:新型スマートフォンを購入する
このように分析し、それぞれの段階の顧客にどのように働きかけるのか、という視点でマーケティング活動の内容を考えていきます。
AISAS
Attention(注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の頭文字です。先ほど紹介したAIDMAと同様、プロモーション戦略のためのフレームワークです。
AIDMAと異なるのは後半の3つの段階で、インターネットでの購買活動を想定したものになっています。
先ほどと同様、新型スマートフォンを例にしてAIDMAとの違いを比較してみましょう。
- 認知:テレビCMや電車の車内広告などで新型スマートフォンの存在を認知する
- 関心:新しい機能や今までの機種と比べた性能の良さなどを知り、興味を持つ
- 検索:新型スマートフォンについて検索し、公式サイトやレビューなどを閲覧する
- 行動:新型スマートフォンを購入する
- 共有:購入したスマートフォンの写真や使った感想などをSNSに投稿・共有する
AIDMAと特に大きく違うのは購入した後に「共有」がある点です。AISASを活用することで、SNSでのシェアによる認知・関心の向上も視野に入れたマーケティング施策を打ち出すことができます。
まとめ
フレームワークの基礎編として、有名なフレームワークを7つご紹介しました。
これまで会議の場でこれらのフレームワークの名前を耳にしたことはあったけれど、イマイチ理解できていなかったという方もいるのではないでしょうか。
まずはそれぞれの特性を覚えてから小さく身近な課題に対して使ってみて、慣れてきたらより大きな課題や複数人での議論の場に用いるのがおすすめです。
ご紹介したフレームワークをうまく活用して効率良く課題解決できるビジネスマンになりましょう。