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ラポールとは?~重要視される理由から形成のための手法までご紹介~

ラポールとは?~重要視される理由から形成のための手法までご紹介~

ラポールは「信頼関係」を意味する言葉で、良好なコミュニケーションをとるために必要なものです。
近年では、ビジネスの場でもラポールが重要視されています。

本コラムでは、ラポールの概要や形成のための手法について解説します。

 

1. ラポールとは

ラポールとは、心理学用語でセラピストとクライエントとの「信頼関係」を表す言葉です。

心理療法やカウンセリングなどの臨床場面では、ラポールの形成が肝心となります。ラポールが形成されていることで、互いに安心感を持って接することができるようになり、クライエントは安心して自己開示できます。

近年では、ラポールの概念が心理学の範囲だけではなく、ビジネスや家族間などの幅広い人間関係に用いられるようになりました。互いに信頼関係があり、安心して自由にコミュニケーションが取れる状態を「ラポール」と呼ぶのです。

 

2. ラポールが重要視される理由

もともとは、臨床場面で用いられる言葉であった「ラポール」でしたが、適用される範囲が広がり、多様な場面で用いられるようになりました。

心理療法のみならず、人と人との関係を良好に築くために役立つのがラポールです。したがって、ラポール形成はビジネスでも活躍します。顧客との信頼関係を構築したり、社内での良好な人間関係を築いたりと、さまざまなビジネスシーンで役立つためです。人間関係を良好に保つことができることから、ラポールという概念やアプローチ手法が重要視されています。

 

3. 営業においてラポールを意識するメリット

営業においてラポールを意識すると、どのようなメリットが受けられるのでしょうか。

信頼関係が築ける

信頼関係が築けるということは、営業活動において大切なことです。ラポールを意識することで、顧客と信頼関係を築くことができます。

営業活動をしていると、つい商品やサービスの話ばかりになってしまいがちです。しかし、ラポールの形成には「相手の話を聞く」ことが欠かせません。まず、話を聞くことで、相手側もこちらの話に耳を傾けてくれやすくなります。お互いに信頼し合う関係性を築くことができると、円滑なコミュニケーションが取れるようになります。

説得力を高められる

ラポールの形成ができていれば、説得力を高める効果に期待できます。

信頼関係が築けていない相手から商品の説明をされても、あまり積極的に耳を傾けようとは思われないかもしれません。話の信憑性を疑われてしまうことにもなりかねないでしょう。

一方で、ラポールが形成されている場合は、自分と相手の間に安心感と信頼感がある状態となります。そのため、リラックスした状態で話を聞くことができ、商品説明を受け入れてもらいやすくなります。

 

4. ラポール形成のための5つの手法

ラポールを形成するためには、いくつかの手法があります。
ここから紹介する5つの手法を参考にしてみてください。

ミラーリング

ラポールを形成する手法として、代表的なものに「ミラーリング」が挙げられます。ミラーリングは、「相手と同じ動作をする」という方法です。自分と同じ動作を相手がしていると、親近感や好意を感じやすくなるといわれています。

たとえば、相手が手を組んだら自分も手を組む。飲み物を口にしたら、自分も飲み物を口にするといった具合です。
しかし、あまり真似しすぎると不自然に映ってしまうため、違和感を抱かれない程度にしておきましょう。

ペーシング

ペーシングは、相手のペースに合わせる手法です。相手の話すスピードや声のトーン、仕草などを合わせることで、安心感や信頼感を得やすくなります。

人は自分と近い特性があると、親近感を覚えやすくなります。表情や動作、声の調子などをみながら合わせていくことで、ラポールを形成しやすくなるのです。

マッチング

マッチングは、相手の声のボリュームや高低、リズムを合わせていく手法です。ペーシングと重なる部分もありますが、マッチングは「声」や「話し方」に特化しています。

たとえば、自分の声のボリュームと、相手の声のボリュームが大きく違う場合、安心感や信頼感は形成しづらくなってしまいます。相手の話し方が自分のテンポ感と似ている場合は、心地よくコミュニケーションが取れるようになります。
声の調子や話し方を合わせていくことで、相手の心を開きやすくする手法です。

キャリブレーション

キャリブレーションは、相手の様子を観察し、相手の心理状態を把握する手法です。

表情や仕草、動作や目の動きなどから、どのような状態で話しているのかを把握します。  その人が発しているわずかなサインから、どのように感じているかを読み取り、適切に汲み取って声をかけることで「この人は気づいてくれる人なんだ」と感じてもらうことができます。

外から心理状態を見極めるのは、難しいことです。しかし、何度も会って話を重ねることでサインに気付きやすくなるため、キャリブレーションを実施しやすくなります。

バックトラッキング

バックトラッキングは、相手が話した内容と同じ言葉を返す手法です。オウム返しと表現されることもあります。

たとえば、「今日は〇〇なことがあってうれしかった」という言葉に対して、「今日は〇〇なことがあってうれしかったんですね」と返すのがバックトラッキングに当たります。言葉を似た表現に言い換えて返すのではなく、相手が発した言葉を使って返すのがポイントです。
ただし、バックトラッキングもやりすぎると違和感を抱かれやすいので注意しましょう。

 

5. ラポールを形成する際の注意点

ラポールを形成したいときに、注意しておきたいことがあります。
それは、ラポールを形成する手法はあくまで手段であり、目的とすり替えるべきではないということです。

ラポールの形成は、互いの信頼関係を構築することにあります。同じ動作をしたり相手の言葉をそのまま返したりといった手法だけで簡単に形成できるものではありません。やりすぎると、いかにも真似をしているようで、違和感を持たれる可能性もあります。

相手をよく観察して、相手が求めていることがなんなのかを推察し、受け入れて協調する姿勢でいることが大切です。

 

6. まとめ

今回は、相手との信頼関係を表す言葉である「ラポール」について解説しました。

ラポールの形成とその手法について正しく理解することで、周囲の人間関係を良好に保つ効果に期待できます。手法を活用する際は、あくまでもさりげなく行なうのが大切です。

信頼関係を構築するためには、一方的ではなく、相手を受け入れる姿勢が重要となってきます。今回紹介した内容を参考に、ラポール形成に役立ててみてください。

 

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