SFAの導入効果を最大にする“定着化”のカギ

デジタル技術が進歩した現代においては、どの企業でもICTなど何らかのデジタルツールが業務に活用されています。
なかでも、企業の利益を生み出す営業部門が中心となって使用するSFAに寄せられる期待は大きく、SFAを導入する企業も増加傾向にあります。
一方で、導入企業のすべてで活用に成功しているとはいえず、システム利用が定着しなかったケースも少なくありません。せっかく時間と費用をかけて導入したSFAならば、効果を最大限に引き出したいものです。
そこで本記事では、SFA導入成功のカギとして“定着化”に着目し、定着しない原因、定着させるために必要な要素について解説いたします。

SFAの定着化とは
「SFAが定着している」といえば、どのような状態を思い浮かべますか?
たとえば、SFAへの顧客情報・案件情報の入力を続けられているだけの状態は、定着しているといえるでしょうか。
もちろん、入力の継続は非常に重要です。データを蓄積しないことには、SFA利用の効果を最大化して享受することができません。入力の継続は、SFA定着化の第一歩です。
しかし、蓄積したデータを活用してこそ、真にSFAが定着しているといえます。
また、SFAの導入によってそれまでの課題が解決すれば、新しい課題が見えてきます。業界の動向など、周囲の環境によって必要なものが変わることもあるでしょう。
このような変化に対応するには、定期的にSFAに関する評価を行い、システムや業務の内容を改善し続ける必要があります。
このサイクルをうまく回すことができていれば、SFAが定着していると言える状態にあるでしょう。
SFAはなぜ定着しないのか?
それでは、SFAを導入したものの定着せず活用が進まないケースでは、何がネックになっているのでしょうか?
主な要因を見ていきましょう。
入力項目が多い
SFAの導入後は、営業部門を中心とするユーザー側で顧客や案件に関する情報を継続的に入力していく必要があります。
しかし、営業担当者の業務は新規顧客へのアポイントに商談準備、既存顧客のフォロー、ミーティングと多岐にわたります。多忙を極め、単純作業ともいえる「SFAへの入力」は軽視されがちです。
特に、営業成績の良い営業マンほど入力を嫌がることもあります。
ただでさえ面倒だと思われる入力業務で、入力必須の項目数が多ければますます面倒だと思われてしまいます。
どの機能が誰に役立つのかが理解できていない
SFAの最終目的は、営業利益を最大化することです。そのために、商談管理や活動記録など、多くの機能が付いています。
ただ、どの機能が営業活動の何に役立つかを個々のユーザーが理解していないと、必要なときにデータを活用することはできません。
操作方法がわからない
操作方法がわからなければ、「機能はあるのに使えない」という宝の持ち腐れ状態となり、導入したSFAのポテンシャルを十分に引き出すことはできません。
SFAを定着化させるためのステップ
SFAを定着化させるためには、適切なステップを把握しておくことが大切です。SFA定着化において意識すべき4つのステップをご紹介します。
認知
SFAを導入して、初めに行うべきステップが「認知」です。SFAの使い方はもちろん、重要性や目的・目標、メリットを社員に伝えましょう。
あわせて、自社の現状・課題やSFAの成功事例も認知すると効果的です。
利用
続いては「利用」です。社員に利用を促すだけでなく、使い方に関する疑問やトラブルを迅速に解決できるようフォローアップし、利用率向上を目指しましょう。
分析
SFAの利用が定着してきた段階で次に行うべきなのが「分析」です。ただ入力しているだけという状態には注意し、積極的にデータの分析を行いましょう。
蓄積されたデータを分析して、課題解決につなげていきます。
改善
最後のステップは「改善」です。SFAの利用を続ける中で、課題や環境が変化し、求められるものが変わることもあります。
SFAが適切に活用されているか、現状に合っているかなどを調査し、定期的な改善を行いましょう。
SFAを定着させるためにするべきこと・ポイント
ここまでにご紹介した内容をふまえ、定着化のためには具体的にどうすれば良いのかを考えていきましょう。
記入の工数をできるだけ少なくする
前述したように、多忙な営業担当者にあれもこれも入力しろといえば、反発が強まることは容易に想像できます。
まずは定着化を第一目標として、必要最少限の項目数から始めるミニマムスタートを意識しましょう。
また、入力方法も自由記述式ばかりだと手間がかかります。ラジオボタンやプルダウンメニューから選べば済む項目を増やすなど、工夫も重要です。
上記のような工夫をシステム的に実践できるSFAを選定する必要もあります。
部門ごとに機能説明を行う
SFAは営業部門を中心に活用されますが、管理部門やマーケティング部門など他部門でも使用します。
また、営業部門のなかでもプレイヤーかマネージャーかでヘビーユースする機能は異なるでしょう。
そのため、部門別での機能説明会を行ったり、導入時に講習の場を設けるのがおすすめです。
特に活用の中心となる営業部門では、マネージャーがプレイヤーにヒアリングし、要望実現のための機能を洗い出すことで成果を出しやすくなります。
その一方で、導入を推進する情報システム部門や営業部門の推進リーダーは、機能全体について理解できている状態がベストです。
定期的に支援を行う
SFA活用成功のためには、運用フェーズでの試行錯誤のプロセスも必要です。どのような入力項目・方法が良いのか、使いづらい・使い方がわからない部分はないか、ユーザーの声を聞いて改善していくことで、使いやすい運用と効果的な活用に近づいていきます。
ユーザー側から、追加での講習やトレーニング、欲しい機能などの要望が出てくるかもしれません。その際は、ベンダーからサポートを受ける必要が出てくることもあります。
要望を吸い上げるためのヒアリングを定期的に行うことも、運用開始前の段階から計画しておくべきです。
これはSFAを初めて導入する企業にのみ当てはまるものではありません。別のSFAから乗り換えを行ったケースでも、慣れ親しんだ画面や操作方法と異なるシステムとなり、定着しづらさの原因となることもあります。
まとめ
SFAは、うまく使いこなすことができれば強力なツールです。せっかく金銭コスト・時間コストをかけて導入したのですから、そのポテンシャルを十分に引き出し、導入効果を上げたいところです。
ぜひ、今回ご紹介した“定着化”のカギをヒントに、自社に合った導入・活用を進めてみてください。
なお、NTTデータ イントラマートでは、豊富な実績を誇るSFAツール「DPS for Sales」をご提供しています。ぜひ導入をご検討ください。