マイクロモーメントとは?注目される背景から活用される方法まで解説
近年では、スマートフォンやタブレットなどのデバイスが普及したことで、消費者の購買行動も変化しています。
そこから、消費者の行動を捉える言葉として生まれたのが「マイクロモーメント」です。
マイクロモーメントを活かすことで、効果的にマーケティング活用できるでしょう。
本コラムでは、マイクロモーメントの詳細や、注目される背景、具体的な活用方法をお届けします。
1.マイクロモーメントとは?
マイクロモーメントとは「人が何かをしたいと思ったときに、ニーズに基づいた行動を取るためにデバイスを使う瞬間(モーメント)」のことです。2015年にGoogleが提唱した言葉で、スマートフォンやタブレットといった端末で検索エンジンやSNSなどを使用するシーンを想定しています。
現代は、8割以上の世帯がスマートフォンを利用しており、知りたいことがあればすぐに調べられて、欲しい商品があればすぐに注文できる時代です。
マイクロモーメントを知れば、消費者のニーズを掴み取り、マーケティングに活かすことができます。
2.マイクロモーメントが注目される背景
マイクロモーメントが注目される背景には、スマートフォンやタブレットなどのデバイス端末が普及したことが関係しています。
IT技術の進歩により、現代ではインターネットを気軽に利用できるようになりました。インターネットやSNSなどを通して知りたいことをすぐに調べたり、何かを欲したときにすぐに行動に移せたりといった時代へと変化しているのです。
ネットショッピングのほかにも、ドラマや映画、電子書籍といったデバイス上で楽しめるサブスプリクションの利用が増えるなど、サービスの多様化も関係しています。
3.マイクロモーメントに重要な4つの要素
マイクロモーメントは、「知りたい」「行きたい」「買いたい」「したい」の4つに分類されています。
ユーザーがどのモーメントに該当するかでアプローチの手法が変わるため、それぞれについて理解しておきましょう。
知りたい(I want to know)
「知りたい」は、情報を求めたい瞬間のことです。知識欲を満たしたいときに検索する行動を指します。
たとえば、「マイクロモーメントについて詳しく知りたい」と考えて検索するのも、「知りたい」の瞬間にあたります。
行きたい(I want to go)
「行きたい」は、目的の場所について検索する瞬間のことです。
旅行に行きたいときや、美味しいランチを楽しみたいときなどに「行きたい」のニーズがあります。店舗の情報だけでなく、周辺の施設情報を調べたり、交通情報を調べたりするのも「行きたい」の瞬間に含まれます。
買いたい(I want to buy)
「買いたい」は商品を購入したい気持ちが高まっている瞬間のことです。
具体的に何かを買う心積もりができている場合で、購入方法について知りたいときや、どのように買うかを調べます。Web上で商品を購入するだけでなく、実店舗に訪れた際にも、商品について調べる場合が想定されます。
したい(「I want to do)
「したい」は、何かしたいことがあり、それを実現するための行動をとる瞬間です。
たとえば、キャンプを始めたいときに必要な道具の揃え方を調べたり、料理の作り方を検索したりするのも「したい」の瞬間に当たります。何かをしたいという理由からスマホで検索したことがある人は、スマホ使用者の9割以上です。実現したいことや悩みを拾い上げたコンテンツを提供すれば、Webマーケティングに活かすことができます。
4.マイクロモーメントを活用する方法
ここからは、具体的にマイクロモーメントを活用する方法について解説します。
Webサイトの最適化
マイクロモーメントは、Webサイトの最適化に活用できます。
Googleの調査では、素早く購入できる企業から商品の購入やサービスの利用が行われやすいことが示されています。そのため、Webサイト上で「いかに素早く商品を購入できるか」という点が大切です。
ECサイトであれば、商品ページまでの工数をなるべく減らすといった工夫ができるでしょう。
マイクロモーメントを分析することで、ユーザーが商品の購入やサービスの利用といった行動に移しやすいように、Webサイトを最適化することができます。
広告の利用
効果的に消費者のマイクロモーメントを拾い上げるために、「広告の利用」も有効であるとされています。
Googleの調査では、ユーザーの半数が複数回にわたってサイトを訪れたのちに、商品購入に至ることがわかっています。そのため、消費者のマイクロモーメントに対して1回の情報呈示を行なうだけでなく「継続的な情報提供」を実施するのが効果的です。
有効な方法として「リターゲティング広告」や「リスティング広告」があります。これらの広告を活用すれば、商品に対して興味のありそうなユーザーや、すでに訪問したことのあるユーザーに対して「継続的な広告表示」が可能となります。
5.まとめ
まずは、「消費者が求めているマイクロモーメントがどのようなものなのか」について、しっかりと把握することが大切です。
ニーズを予測し、消費者のマイクロモーメントを理解することから始めてみましょう。
マイクロモーメントをマーケティング活用したいと考えている方は、本コラムの内容を参考に、消費者の行動を分析してみてください。