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ホラクラシー型組織とは?メリット・デメリットから導入する際の注意や企業例まで解説!

ホラクラシー型組織とは?メリット・デメリットから導入する際の注意や企業例まで解説!

ホラクラシー(holacracy)とは、役職や階級のないフラットな組織体系のことです。ホラクラシー型の組織では、上司や部下といった上下関係が存在しないため、個人の裁量が重視され、責任や役職は分散されます。

近年、上下関係のない組織形態として「ホラクラシー」が注目されています。ホラクラシーを導入すれば、業務における意思決定から実行までを個人の裁量で実施可能です。

本コラムでは、ホラクラシーの概要やメリットやデメリット、導入時の注意点や企業の事例を紹介します。

 

ホラクラシーとは?

ホラクラシー(holacracy)とは、役職や階級のないフラットな組織体系のことです。

ホラクラシー型の組織では、上司や部下といった上下関係が存在しません。そのため、個人の裁量が重視され、責任や役職は分散されます。

従来型の組織では、上司や管理職が部下のマネジメントを行い、責任を持つ人間が意思決定を行うのが一般的でした。ホラクラシー型の場合は、目的ごとにチームを組んでそれぞれが目標達成のために活動します。チームの集合体が組織であり、個々が責任と役割を持ちながら成長するのが、ホラクラシーの特徴です。

 

ヒエラルキー型組織との違い

ヒエラルキー型組織は、ホラクラシーと対極にある組織形態です。「官僚型」とも呼ばれ、ピラミッドのような組織構造であることが特徴です。ヒエラルキーの上にあがるほど責任が重くなり、管理職やチームをたばねるリーダーが意思決定権を持ちます。

責任が重い立場の人間は責任や役割が重く、通常の職務にくわえて負担が大きくなる傾向にあります。

一方、ホラクラシー型は管理職やリーダーの配置がなく、フラットな組織形態です。意思決定や役割、責任の所在が分散され、上下関係もないことから、ヒエラルキー型組織とは正反対の形態であるといえるでしょう。

 

ホラクラシー型組織のメリット

ホラクラシー型組織のメリットは、社員それぞれが主体性を持って取り組めるという点です。

従来のヒエラルキー型では、役割や責任などの比重が管理職やリーダーに偏ってしまう点や、部下の自主性が失われる点が懸案事項でした。ホラクラシー型組織は、個人の裁量を重視するため、個人に比重が偏るということはありません。

また、役職が存在しないため、柔軟に組織を運営できるというメリットがあります。上司や役員に確認したり指示を仰いだりといった工数を省けるため、ホラクラシーを導入すればスピーディかつ柔軟な組織体制で運営できます

 

ホラクラシー 型組織のデメリット

一方で、ホラクラシー型組織にはデメリットもあります。個々の社員がもつ「責任感」や「仕事に対する姿勢」によって、仕事のパフォーマンスに影響しやすくなるという点です。

ホラクラシー型組織では、個人の裁量に任せた活動を行うことになります。したがって、個人が持っている能力だけでなく、仕事に対する姿勢やセルフマネジメント能力などの「個人の能力や資質」が仕事のパフォーマンスにそのまま影響しやすくなるのです。

個人単位で責任を負うことになるため、特に社員のセルフマネジメント能力が問われます。

以上のように、仕事の裁量が社員の自主性に委ねられることは、メリットでもあり、デメリットでもあるといえるでしょう。

 

ホラクラシー型組織を導入する際の注意点

ホラクラシー型組織の手法を導入する場合は、小規模なチーム単位から始めることをおすすめします。

2007年にアメリカで提唱された手法であるホラクラシーは、比較的新しい試みであり、日本ではまだ馴染みの薄い手法です。そのため、ホラクラシーの経営手法をそのまま日本の企業に当てはめて導入するというのは、やや難しいかもしれません。

導入にあたっては、経営陣がホラクラシーについてしっかりと理解した上で、チームやグループで少しずつ取り入れてみましょう。

また、社内の秩序を保つためにも、責任や役割の所在を明確にしておくことが大切です。ホラクラシーのメリットを最大限に発揮するためにも、実施計画や事前の取り決めを入念に行い、まずは小規模単位から導入してみましょう。

 

ホラクラシー型組織を導入している企業例

ホラクラシーを導入した企業であるザッポスの導入例を紹介します。米ザッポス社(Zappos.com)は、靴を中心に取り扱うECサイトを運営している企業であり、ホラクラシーを取り入れている中でも特に有名な企業です。10項目あるコアバリュー(企業の中心的な価値観)を掲げており、コアバリューを軸として階層構造をなくした企業運営をしています。

ザッポスが行ったのは、目的を達成するための役割(ロール)を設定し、意思決定はロールに委ねるという手法です。ロールの中にリードリンクと呼ばれる「方向性の共有」「重要指標の共有」「ロールへのメンバーのアサイン」などを担う役割を設定しました。

リードリンクは重要な役割ではありますが、指示や命令といった役割はありません。ほかのロールが業務の遂行をしやすいような環境を作るのがリードリンクの目的です。

ザッポスのように「企業の価値観の共有」「役割やルールの制定」をしっかりと実施すれば、指示役がいなくても、企業が掲げる目的に沿って個人が自由に働ける環境を実現できるでしょう。

 

まとめ

ホラクラシーを導入すれば、それぞれが主体性を持った風通しの良い組織を実現できます。

しかし、ホラクラシーには注意点やデメリットもあります。

導入する際は、社員が一つの目的に向かっていくという「連帯感を持てる仕組み」をつくることも必要かもしれません。

まず「ホラクラシーが企業に適しているかどうか」という視点から、導入や実施にいたるまでの準備に余念をかかさず、綿密な計画のもとで行うのが重要であるといえそうです。

 

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