業務効率化とは? ~業務効率化を行うメリットと実現するためアイデアをご紹介~
グローバル競争の激化や新たなデジタルテクノロジーによる市場の変化に加え、少子高齢化による働き手の減少と、ビジネスを取り巻く課題は次々と現れ、対応が迫られます。
目まぐるしく変化するビジネス環境の中で生き残るためにも、経営体制の強化を図る必要があります。
本コラムでは、その一つとして業務効率化を提案します。
業務効率化を実施する上で知っておきたい基本情報や、具体的なアイデアなどをご紹介いたします。
1. 業務効率化とは?
そもそも、業務効率化とは何でしょうか?業務効率化とは、業務におけるムリ・ムダ・ムラを排除して、業務を効率化することです。
ムリとは?
業務におけるムリとは、業務の処理能力以上に負荷がかかってしまっている状態をいいます。
具体的には、スタッフ一人当たりが抱える業務量が多すぎたり、業務に対して人員配置が不足していたりなどして、業務にかかる時間が長すぎるケースが挙げられます。
ムダとは?
業務におけるムダとは、上でお伝えした「ムリ」とは反対に、業務に必要以上の人員や時間をかけてしまっている状態です。
具体的には、同じ作業を重複して行っている、作業に着手できずアイドル状態になっているスタッフがいるなどが挙げられます。
ムラとは?
業務におけるムラとは、上でお伝えした「ムリ」や「ムダ」の両方が存在しており、それらがランダムに生じている状態をいいます。
具体的には、新人と熟練のスタッフで業務品質に差が出たり、繫忙期と閑散期で人材に不足や余剰が生じたりすることなどが挙げられます。
少子高齢化が進み労働人口が減少していく日本においては、「働き方改革」に代表されるように、多様な働き方を実現することで労働人口を増やしつつ、労働者一人ひとりの労働生産性を高めることで、日本全体の労働力を維持していく必要があります。
生産性向上の要素の一つである「業務効率化」を実現することで、それを叶えることができるでしょう。
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2. 業務効率化を行うメリット
ここまでにも、業務効率化の必要性について触れてきましたが、少し視点を変えて、業務効率化を行うメリットとは何でしょうか?
コスト削減につながる
業務効率化を実現できれば、効率化できた分、従業員の手が空くでしょう。もし、それまで残業時間が多かったのなら残業が減り、多人数でこなしていた業務なら少人数でもまかなえるようになり、余計な人員を減らすことができます。
もし、派遣社員や契約社員など、非正規雇用者がいた場合は、人件費を削減できます。
人件費以外にも、業務の余分なプロセスを省くことで、什器や機器、それを置くスペース、電気代などのコストも削減できるようになります。
そして、コスト削減はそのまま利益の向上に結びつきます。
コアビジネスに注力できるようになる
コアビジネスとは、企業の根幹を成す中心的な事業のことをいいます。
企業がコアコンピタンスを決定し、経営戦略としてコアビジネスとした事業に、業務効率化で浮いたコストや人手を集中することで、競争力強化につながります。
売上向上やコスト削減なども重要なことですが、コアビジネスを強化することでビジネス環境の変化にも耐えられるようになるでしょう。
従業員満足度(ES)の向上につながる
業務に効率化の余地があるということは、業務にムリ・ムダ・ムラが存在するということ。効率化が実施されずに、そのまま放置されていれば、従業員にも何らかの負荷がかかっているはずです。
業務効率化を実現することで、これに起因するストレスが軽減されたり、無駄な残業が発生したりせず、従業員満足度(ES)向上につながるでしょう。
また、従業員が業務のムリ・ムダ・ムラに気づき、自ら改善した場合は、達成感やモチベーションアップにも直結するでしょう。
3. 業務効率化を実現するアイデア
最後に、業務効率化を実現するためのアイデアをご紹介いたします。
業務のムリ・ムダ・ムラを排除する
「業務効率化とは?」でお伝えしたように、業務におけるムリ・ムダ・ムラを排除することは、業務効率化の基本となります。
ムリを排除するには、業務に当てる人員を増強したり、時間を増やしたり、業務を自動化するデジタルツールを導入したり、アウトソースしたりという方法があります。
ムダを排除するには、重複している作業を省く、無駄な人員を削減するなどの方法があります。
ムラを排除するには、人員配置を最適化したり、BPMツールなどを導入して業務を標準化したりといった方法があります。
業務を自動化する
業務におけるムリ・ムダ・ムラを排除できたら、人手を介さずにシステムやツール、RPA、AIなどのデジタルテクノロジーに任せることで自動化できる部分を探しましょう。
自動化することで空いた人手を、コア業務や、企画などの創造的だったり人にしかできなかったりするような業務に回すことで、業務効率化と生産性向上の実現につながります。
業務をアウトソースする
デジタルテクノロジーで自動化できない部分は、思い切って社外へアウトソースするというのも一つの選択肢です。
デジタルテクノロジーを導入するのとは違い、繫忙期などの必要な時期だけ利用することができるためリーズナブルです。
また、委託先の専門性が高ければ、業務のクオリティを高めることもでき、高い費用対効果が期待できます。
4. まとめ
少子高齢化が進み、労働人口が減少していく今後の日本においては、業務効率化への取り組みは必須です。業務効率化を図ることで、コストを削減できたり、コアビジネスに注力できるようになったり、従業員満足度(ES)を向上することができたりするようになります。
業務効率化のためには、業務を可視化してムリ・ムダ・ムラを排除した上で、業務の自動化やアウトソーシングを行う必要があります。
自社の業務効率に課題をお持ちの企業様は、まずは現状の業務の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。