営業職の残業を減らす方法とは?効率的な働き方で成果を最大化
営業職は業務内容が多岐にわたり、残業が多くなりがちです。残業は減らすべきだとわかっていてもなかなか減らせず、課題として抱えている企業も少なくないでしょう。
そこで今回は、営業職の残業が発生する原因や減らし方について、メリットや残業軽減が注目されている背景を交えて解説します。
組織としてはもちろん、個人として実行できる部分もありますので、ぜひ参考にしてください。
営業職の残業につながる理由と原因
どのような職種でも残業は起こり得ますが、営業職は特に残業が多くなりがちな職種の一つとされています。
その理由と原因について確認しておきましょう。
高い業務負荷と時間管理の課題
多くの企業において営業担当者にはノルマが設定されており、企業によっては営業成績が給料の良し悪しに直結する場合もあります。ノルマを達成できないと給与査定や人事評価に影響することも多いため、思うように営業成績が出ていない場合はノルマ達成のために残業を積み重ねがちになってしまいます。
また、営業職の仕事は営業活動だけではなく、見積もり・契約書の作成といった事務作業や顧客対応、社内でのミーティングなど多岐にわたります。営業活動や顧客対応が終わった後の短い時間で事務作業などが終わらなければ当然業務時間外に行わなければなりません。これが、営業職の残業が増えがちな理由の一つです。
客先との調整や営業活動のスケジュール
営業活動においては、ある程度、顧客の都合に合わせてスケジュールを組まなければいけません。そのため、アポイントとアポイントの間が中途半端に空いてしまい、無駄な時間が発生するという問題も多く見られます。
さらに、外回りなどでは行き帰りの移動時間も大きなネックとなり、残業が増える原因となっています。
文化や組織の影響による残業の習慣化
営業職に限らず、残業が増えがちな原因としてよく挙げられるのが、「残業が当たり前」「周りが残業しているので帰れない」といった企業風土です。
たとえば、若い頃は毎日深夜まで残業するのが当たり前だったという世代の上司が長く残業しているので、部下の自分が先に帰るわけにいかず仕方なく残業している、といったケースは未だに根強く見られます。
また、業種によって「この業界ではみんな残業している」といったイメージがついている場合もあるでしょう。
こういった「残業の習慣化」は残業が減らない大きな原因となっています。
営業職の残業の減らし方
それでは、営業職の残業はどのようにして減らせば良いのでしょうか。
具体的にご紹介します。
タスクの優先順位設定と効率的なプランニング
残業を減らすためには業務効率化が欠かせませんが、そのためにまず重要なのがタスク管理、特に優先順位の設定です。リストアップしたタスクに対し重要度と緊急度をもとに優先順位をつけ、スケジューリングするようにしましょう。
また、就業時間内のどの時間に何をするかというプランニングを効率的に行うことも重要です。業務効率化のためには、何時から何時はテレアポ、その後は何時まで資料作成といったように各作業を集中して行う時間を作ることをおすすめします。
コミュニケーションと連携の最適化
営業職の最大の目的である営業成績を重視するためには、売上に直結しない冗長なミーティング・不要な報連相などは避け、社内におけるコミュニケーションを最適化することも重要です。ミーティングは事前に要点をまとめ短時間で行う、報連相はデジタルツールを活用して時短に努めるといった対策ができるでしょう。
また、多岐にわたる業務を他の社員に依頼できるよう連携するのもおすすめです。たとえば、契約書や見積書の書面は営業事務、請求書は経理、新規顧客リストはマーケターというように、営業職の業務をほかの部署などで補えないか検討すると良いでしょう。
技術やツールの活用による効率化
ITツールを導入することで残業の軽減につながるケースも多々、あります。なかでもSFA(営業支援ツール)を活用すれば、顧客管理・案件管理や日報作成などの事務作業を効率よく行うことができます。
SFAを活用した業務効率化については、下記の記事でもご紹介していますのでぜひご覧ください。
“SFAで実現する働き方改革”
なお、NTTデータ イントラマートでも、営業業務の効率化に役立つSFAツール「DPS for Sales」をご提供しています。
営業職の残業を減らすことのメリット
営業職の残業を減らすことができれば、さまざまなメリットを享受できます。ここでは、代表的なものを3つご紹介します。
健康とワークライフバランスの向上
残業が減ると身体・精神ともに負担が軽減されるため、社員の健康にもつながります。
また、プライベートの時間が増えることで趣味や家庭、育児、介護などとの両立も可能になるため、ワークライフバランスを向上させられます。
生産性と業績の向上
残業を減らすためには業務時間中にできるだけ多くの作業を終わらせる必要があり、そのためには業務効率化が欠かせません。
効率化を意識して仕事をすることで結果的に生産性や業績の向上にもつながるのも、残業を減らすことのメリットです。
モチベーションと働きがいの向上
ワークライフバランスや業績の向上は、仕事へのモチベーションや働きがいの向上にもつながります。
また、残業が減った分の時間でスキルアップのための勉強などを行う社員もいるでしょう。
社員のモチベーションアップ・スキルアップによってさらなる業績向上・離職率低下などが期待できるため、企業にとっても大きなメリットがあるといえます。
営業職の残業を減らすことが注目されている背景
かつては残業が当たり前という時代もありましたが、現代ではなぜ残業軽減が注目されはじめたのでしょうか。
その背景を確認しておきましょう。
労働環境の改善と働き方改革の流れ
残業軽減が注目されはじめた最たる要因と言えるのが「働き方改革」です。
労働環境の改善を目的とする働き方改革の一環として、ここ数年で時間外労働の時間規制や割増賃金についての規定が中小企業にも適用されるようになり、それに伴って残業軽減も注目を集めるようになりました。
企業価値の向上と人材確保・定着の観点から
現代は、少子高齢化により人材不足も深刻であるといわれています。
その中で、企業価値を向上させ多くの優秀な人材を確保・定着させるために職場環境の改善を行う企業が増えてきたことも、残業軽減が注目されている理由の一つです。
残業に対する営業担当者の意識の重要性
残業を減らすには、企業側が業務内容や職場環境を改善するだけでなく、営業担当者自身の意識改革も重要です。
たとえば、優れたITツールを導入しても、営業担当者がそのツールを活用して業務効率化を行おうと思わなければ残業の軽減にはつながりません。働き方改革が話題になるなど多くの人が関心を持っている今こそ、残業軽減のための施策を行うべきタイミングだといえるのです。
自己管理と効果的な働き方への意識改革
日本は今、ほかの先進諸国と比べて労働生産性が低いとされています。労働人口も減っている中でGDPを上げるためには、労働生産性の向上が欠かせません。
国全体として見ても、残業軽減など効果的な働き方のための意識改革が必要とされているといえます。
上司や組織とのコミュニケーションの重要性
テレワークが増えていることも、残業軽減が注目されている背景の一つです。テレワークの環境下では社員同士のコミュニケーションがとりづらく、仕事量の把握や割り振りがうまくいかないケースが増えています。
残業を軽減するには進捗を共有したり仕事をほかの社員に割り振ったりといったことがうまく行えるシステムが重要ですが、これがテレワーク下におけるコミュニケーションの改善にもつながるとして注目されているのです。
まとめ
今回は、営業職の残業について、発生原因や減らし方などを解説しました。
メリットとしてご紹介したように、残業を減らすことは企業の業績アップや離職率低下にもつながります。
ぜひこの記事を参考に、残業軽減に取り組んでみてください。