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西華産業株式会社様

AGSグループ

見積書等の取引に関する帳票の保管・管理に「DPS for Sales」を活用してペーパーレス化
基幹システムや文書管理システムと連携し、営業活動の後続の業務プロセスも最適化を実現

西華産業株式会社
会社名 西華産業株式会社
住所 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号 新東京ビル
事業内容 各種プラント、機械装置・機器、電子機器などの販売、輸出入を手掛ける総合機械商社
設立 1947年
HP https://www.seika.com/

概要

新型コロナ禍初期の出社制限や、改正電子帳簿保存法による電子取引の電子データ保存義務化は、多くの企業が業務のデジタル化を進める契機になった。
ただし、デジタル化を部分的に進めると、アナログな業務とデジタル基盤上で進める業務が混在することで業務プロセスが歪に肥大化し、生産性を下げてしまうケースもある。総合機械商社の西華産業株式会社(以下、西華産業)は、紙の書類で営業案件情報を管理するアナログなプロセスを残したまま電子帳簿保存法への対応を進めたことで、営業事務の負荷が膨らむという課題に直面していた。
そのソリューションとして採用したのがNTTデータ イントラマートの営業支援ツール「DPS for Sales」だ。営業事務の全面的なペーパーレス化と業務効率化を進め、将来的にはデータドリブンな営業の基盤としても活用していく。

課題

取引書類は紙で管理し書庫で保管
部分的なデジタル化で現場の業務負荷が倍増

三菱グループの総合機械商社である西華産業は、発電関連設備の販売やアフターサービスを行う「エネルギー事業」、多様な産業向けにプラント機器や生産設備などを提供する「産業機械事業」、要素機械や素材などを扱う「プロダクト事業」の三つのセグメントで事業を展開している。2030年に向けた長期ビジョン「VIORB 2030」では、「地球環境と調和したサステナブルなエネルギー創出・産業活動を支援する」というパーパスを掲げ、環境に好影響を与える、もしくは環境に配慮したビジネスのボリュームを大幅に増加させる構想だ。

足下の取り組みとしては、デジタルテクノロジーを積極的に活用した業務効率化も重要なテーマだという。同社は総合機械商社という業態の特性上、取り扱い品目も多く、日々多くの顧客や仕入れ先のメーカーと膨大な取引を行っている。取引書類は全て紙の書類で管理し、案件番号ごとにまとめてファイリングし、書庫に保管していたという。

同社システム部課長の長田真吾氏は、アナログ文化が根強く残っており、業務効率化の妨げになっていたと振り返る。「営業パーソンは日中、外出や客先対応に追われている。夕方に帰社して見積書などを作成するというのが一般的だが、参考資料として同じ品目や同じ顧客の過去の取引書類を参照したくても、営業事務の担当者に依頼して書庫から探してもらうという手間が必要だった」

近年は、デジタル化のための仕組みも整備していた。紙の書類をスキャンして保管できる環境を整えたほか、新型コロナ禍でリモートワークの要請が高まったこともあり、取引書類を電子データで社内共有する仕組みも構築した。改正電帳法による電子取引の電子データ保存義務化への対応では、NTTデータイントラマートのクラウド型アプリケーションプラットフォーム「Accel-Mart Plus」を導入。タイムスタンプを付与して取引書類を登録するワークフローシステムとして活用している。

ただし、これらの仕組みが業務効率化に寄与したり、蓄積したデータを営業活動に生かしたりするかたちにはなっていなかったのが実情だった。

「書類をスキャンして保管する仕組みがあっても、取引書類を紙で管理するというプロセス自体は残ったままで、別途基幹システムに手入力で情報を登録する作業が必要だったため、営業側から見ると手間が増えるだけだった。Accel-Mart Plusを活用した電子取引情報の保存についても、営業事務の負荷が倍増していると現場から悲鳴が上がっていた。当社側で発行する見積書などはワークフローで申請・決裁をする過程で登録できるが、取引先からメールで受け取った書類については、営業事務担当者が全て手作業で登録しなければならなかった。従来業務に加えて新たに毎日1時間程度の作業が発生するかたちになってしまっていた。当初は改正電帳法への対応として進めたという側面が強く、営業側で案件情報のデータベースとして使えるような仕組みにはなっていなかったのも課題だった」(長田氏)
西華産業株式会社様システム部 課長
長田 真吾 氏

紙の取引書類で案件情報を管理するアナログな文化を残したまま部分的なデジタル化を進めたことで業務負荷が増大する結果になってしまったわけだが、電子取引情報の保存は法令に対応するための業務であり、廃止することもできない。こうした課題のソリューションとして、西華産業はSFA(Sales Force Automation)ツールの導入を決断。取引書類の管理におけるペーパーレス化を一気に進めて営業事務の業務負荷を削減するとともに、改正電帳法に対応するだけでなく、営業活動に役立てられるようなデータとして取引情報を蓄積していくことを目指し、DPS for Salesを採用した。

導入

営業側の作業負荷を抑えることに尽力
基幹システム、文書管理との自動連携により二重入力を排除

SFAの製品選びは、最初からDPS for Salesが最有力候補だったという。システム部課長代理の黒部純樹氏は次のように説明する。

「改正電帳法対応で導入したAccel-Mart Plusのワークフローを使い、案件に紐づいてSFAに取引書類が保管されていくようにしたかった。営業にとって活用しやすいかたちで案件情報が管理できれば、営業事務の手間がより大きな価値につながり、SFAの定着も後押しすることになると考えた。また、Accel-Mart Plusの活用範囲を広げて社内のポータルとしてもAccel-Martを使おうという構想もあった。そうした背景があり、intra-martという共通の基盤上で柔軟に連携できるDPS for Salesの優位点は大きかった」

また、ペーパーレス化を実現して取引書類の管理プロセスを最適化するには「営業情報を最終版として管理している基幹システムや、既存の文書管理システムとのデータ連携も不可欠だった」(黒部氏)。
こうした仕組みを無理なく、低コストで実現できる点もDPS for Salesを高く評価したポイントだった。

開発・実装にあたって心を砕いたのは、営業側の作業負荷をいかに抑えるか。入力情報を極力削ぎ落としたほか、基幹システムや文書管理システムと自動で連携させ、二重入力が発生しないようにした。


西華産業株式会社様システム部 課長代理
黒部 純樹 氏

〇システム概要図



実はこれまでも、SFAの導入を検討したり、一部の組織で使ってみたりしたことはあったが、定着せずに終わったケースがほとんどだったという。今回のプロジェクトではそうした過去の事例の反省を存分に生かした。「営業側は日々のデータ入力が面倒でなかなか使い続けられないというのがこれまでの傾向。今回は、初動となる引き合いをいただいた時の入力が複雑だと根付かないと考えて、必須入力項目をごく少なくし詳細情報は基幹システムの情報を取得して補完するなどの工夫をしている」(長田氏)

2022年12月に要件定義に着手し、23年4月から8月までの5カ月間でシステム間の連携機能の開発や各種設定、カスタマイズを進め、テストを経て同年11月から営業2部門で小規模なテスト利用を続けている。「テストに参加する部門は、ITリテラシーが高く、全社展開した際にSFAの積極的な活用を先導してくれるであろうリーダーがいる部門を選んだ」(長田氏)とのことで、ここにも将来的なSFAの定着に向けた工夫がみられる。

効果

テスト運用で全面ペーパーレス化にめど
失注案件情報も活用し、より能動的な提案を

テスト運用を続ける中で、取引書類の管理を全面的にペーパーレス化していく見通しが立ったのは大きな成果だ。営業側の業務負荷が許容範囲で、かつDPS for Salesが効果的な営業活動に役立つものであるというコンセンサスが、社内で形成されつつある。

「システム間の自動連携などで入力作業の負荷は抑えられている。また、見積りの期限や納期の管理はアラートを出せるようにしており、ユーザーからは便利だと評価してもらっている。大きな設備を納入したら定期点検が必要になるが、そうしたスケジュールも案件管理に組み込むことができるし、SFAには失注した案件の情報も残る。より能動的な提案がしやすくなるのではという期待も寄せられている」(長田氏)

営業部門向けにDPS for Salesの説明会を開いたところ、データ入力作業にどの程度の時間がかかるのかをスマートフォンのストップウォッチ機能で計測する社員もいたという。そうしたシビアな感覚を持つ同社の営業パーソンにも、生産性向上とデータドリブン営業の基盤としてのDPS for Salesのポテンシャルは評価されていると言えよう。

未来

テスト運用のフィードバックを生かし全社展開
システム化を拡大と同時に内製リソースの拡充も

現在は、テスト運用でユーザーからフィードバックされた要望などを精査している段階で、適宜実装し、DPS for Salesの全社展開を進めていく。「例えばDPS for Salesの画面からメーラーを立ち上げる機能がほしい、案件管理のフェーズを自動更新する仕組みがほしいといった声があり、やはり少しでも作業を効率化したいというニーズは大きい。システム部としても積極的に対応していきたい」(黒部氏)

また、Accel-Mart Plusの活用拡大もさらに進め、システム化できていない社内の稟議や届書などをワークフローシステムに乗せる方針。場所を問わずリアルタイムで決裁やチーム内のコミュニケーションができる仕組みもAccel-Mart上に構築していく。

Accel-Mart PlusやDPS for Salesなど、intra-martを基盤とする製品の活用を高度化し、DXの基盤として機能させるために、内製リソースの拡充にも取り組む。ある程度自社開発が可能な体制をつくることで、システム開発コストを抑えつつ、スピーディーに社内のニーズに応えられるようになるとみている。

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